Naegi

逍遥

2023-01-01から1年間の記事一覧

手紙

三つ子の魂百まで、好きなものを思い浮かべればだいたい、幼少期の趣味に還元される。 久しぶりにポケモンのダイパシリーズのBGMを聴いていたのだけど、私がソウルやR&Bに関心を持ったのって、ダイパの音楽が大きい気がする。 216ばんどうろ、228ばんどうろ…

くもり

青空のような曇天。 修論のプレッシャーで、毎日歯軋りしているらしい。おかげで歯がじんわり痛む。さいきん歯科医に行って異常がなかったから、虫歯ということはないだろう。数ヶ月前にレントゲンをとったら歯軋りの傾向があると言われて、痛みが増すようだ…

歩く人

この曲を聴けば世界がまるきり変わってしまう。 そんな感覚を失ってきている。この音楽を聴けば無敵。どこかで聞いたことのある文句、というか広告代理店が好きそうな構え方だが、音楽で心を躍らせる感覚を失せている。修士論文、就職がものすごく恐ろしい。…

すこやかな12月 / 2023の音楽と景色

論文執筆で命を削っている。 修論の文字数が10万字を越えた。 中間発表の資料をうまく繋ぎ合わせているので、一から書き進めているところは少ない。とはいっても、時間との闘いに焦燥を感じざるを得ない。11月はずっと体調が悪かった…。博士課程に進んでいた…

大学で得たもの 救いたいもの

大学で得たものを一つ選んで答えよ、と訊かれたら、こう答えるだろう。 ひとが書いたものに寄り添って議論しようとする姿勢、だ。成功しているかはともかくとして、議論の姿勢はこの6年間で身についたと思う。 英語圏ではprinciple of charity (思いやりの…

衒いのなさ

クリスマス・シーズンが近づく。サンタクロースに手紙を書くようにして、ほしいものを考える。ほしいものはなに?わたしは、衒いのなさがほしい。ないものがほしいって、へんだね。確かにへんだね。 針葉樹が屹立する庭園 一度衒ってしまうと、もう元には戻…

逍遥と越境のエッセイ

雨上がりにうんと晴れた日。雨の上がったあとがいちばん空気が澄む。太陽を照射する湖面もよかった。ここ一番のきらめきだった。 ようやく風邪も治って、外を逍遥するとなると、歩く意味をずっも考えている。修論のストレスを解消するために、お気に入りのケ…

最後の一葉

ここ数日、風邪で外界との接続をほぼ断絶した状態にあった。予定キャンセルしたみなさま、大変ご迷惑をおかけしました。 喉の痛みから始まり、副鼻腔炎、咳…という典型的な風邪を引いたのは久しぶり。たいてい、軽い鼻炎で終わるから。鼻が弱いので半年に一…

悪夢絵巻

さいきんの様子?めちゃめちゃめちゃめちゃ不安!修論が書き終わるかわからない。人からどう思われるかわからない。でも、それは生命を脅かすほどでもないし、別に相談して解決するわけじゃないし、一過性のものだから、どうでもいいのだけど、でも局所的な…

悪意の仮面

少し前に書いた記事に、「森は生きている」というタイトルをつけた。これはマルシャークの有名な戯曲からとった。私自身も、小学校の学芸会のときに演じた。ストーリーラインはシンデレラに似ている。いじわるな継母役に立候補し、娘の得た金貨を持ち去る継…

落ち葉の行き場

散った金木犀の香りは旬の過ぎた蜜柑に似ている。金木犀の断末魔のような、甘い香りに出くわす。甘いんだけど、なんかくどいというか、独自のえぐみを持っている。これは、冬の終わりの蜜柑のようだと思う。回想に残存する香り。旬の過ぎた匂い。こうしたも…

こぼしの小法師

今週のお題「こぼしたもの」 … Spilt milk と題した短編を書いたことがある。こぼれた牛乳のように、収集がつかなかった試みなのだが、私の心にはいつもspilt milkがある。言うまでもないが、There is no use crying over spilt milk(覆水盆に返らず)の諺…

好きのテリトリー

人に優しくしたいという欲求は、時としてエゴイスティックな感情に由来する。少なくとも私は。 久しぶりに、他の人に対してややキツめのことを言ってしまい、自己嫌悪に陥る。同時に、ここでなあなあにしてはいけない、という気持ちもあり、消化しきれない思…

森は生きている 北海道旅行記 完結編

北海道旅行記録を放置しているのは、ひとえに修論に追われてるからだ。夏は心の調子があまり良くなくて、思考もままならない状態だった。気温が下がった途端、文字が頭に入るようになり、筆が進む。金木犀の季節はいつも心が穏やかだ。秋と冬が大好き。 発表…

樅木のメタモルフォーゼ 道東旅行記②

暗闇の効用について考える。何かの記事で、暗闇での逍遥が、自然への畏怖を蘇らせると書いてあった。本当にその通りである。 北海道旅行の締めは、恐怖の暗闇峠越えであった。車の後ろには、一面の闇が広がる。街灯はない。釧路から札幌へと向かう旅路は、闇…

2023/10/3 目標宣言の随想

ブルーシールアイスを食べた。アイスではない何か、でもとても美味しかった。もちろん沖縄に行ったわけではなく、内定式に伴い数百キロを移動したのだ。 内定式を終え、無事に帰る。式典が終わったことに安堵しつつ、わたしの学生生活を終結に向かわせる必要…

10月初旬

わたしは中央値からけっこう外れてることが多い。性格診断の結果をみたら、わたしは明らかに中央値から外れている!小学生から感じていたコンプレックスが蘇ってきた。 旅行記を書き進めたいのに、書き進められない。書きたいことは山ほどある。 何かと移動…

ちょっと話を聞いて

緑色のカメムシの香りがしてたまらなくなりそうだ。金木犀の香りも届いていないというのに!去年の今頃は大学構内に金木犀の香りがうっすらと香っていたはずである。近くにいた二人組が「金木犀はどこ?」と探していた記憶がある。今年は、そんな気配もなく…

針葉樹、畑、丘  道東旅行記①

知床を訪れた。記憶を手繰り寄せるも、楽しかった瞬間が断片的に立ち現れるので収拾がつかない。旅行記が書ける人はすごい。書けない。でも、書こう。 国立公園を歩きたかった。車の運転ができる友人のおかげで、自然散策をしている。作家の梨木香歩さんのよ…

wanderlust

僕が旅に出ない理由はだいたい百個くらいあって〜♪と替え歌してしまうほど、内向きの人間なのに出歩かないと塞ぎ込んでしまう性分である。外に出ない言い訳を百個くらい並べては引きこもっている。それでも友人たちが旅行に誘ってくれるので、外に出ることが…

暑さのせいだよ

せっかくPerfume衣装展に行って、感想の記事を書いていたというのに、記事の一部が消えてしまった。悲しさのあまり公開を停止。何かに追われている感じが拭えない。もう少し、焦る癖をなくせばミスも減るだろうに。 それにしても兵庫県立美術館はいいな〜な…

表現に対する居心地の悪さ

ブログというプラットフォームに落ち着きを覚える。 私はまごうことなきデジタルネイティブ世代なので、小学生のころからインターネットを通じて自分の考えを発信してきた。小学生の時はうごくメモ帳をやっていたし(このアカウントは当時からある!)、中学…

こもる

ラメの入ったアイシャドウを買った。いつぶりだろう。就活していた頃はラメの入っていない、落ち着いた茶色のアイシャドウを愛用していたが、そろそろラメが欲しくて購入した。 ラメを敬遠してしまうようなメンタリティに支配されていると思う。なんだか、就…

8月の雑記

8月の夜は秋だ。 この季節になれば、井上陽水の「少年時代」やらフジファブリックの「若者のすべて」がラジオで流れる。私はヘルシンキラムダクラブの「何とかしなくちゃ」を執拗にリピートする。秋は本当にキリンジがよく似合う季節で、散歩する度に空気と…

誰だって信頼できない語り手だもん♪

良くも悪くも、私は変わっている。別に、自己評価を拗らせたわけではない。なにか動作をするにしても、簡単な応答をするにしても、だいたい想定の斜めを上をいってしまう。幼いころから、望まなくても目立ってしまう性格だった。ある時には悪意をもって攻撃…

海峡

今日も今日とて下書き放流。 この地方の水辺が大好きだ。遠く離れていても、きっと恋しく思うことでしょう。 海峡の見えるカフェで文章を綴った。 ー 私の尊敬する友人の話をしよう。自分の幸福に対して、とてもストイックな友人。どんな好きだった恋人に対…

幻想と手を繋ぐ

学生から労働者へと変わることはドラスティックな変化だ。残る月日もそれほど長くないことも知っている。興味に従って生きていけるのも、あと数ヶ月、とすると、いわば余命宣告のような表現だが、ある種の制約が人生をまた輝かせてくれることも知っている。…

駆け出す夢

蚊がいる。家に蚊取り線香がないので、機を見計らって始末したいのだが、難しい。アースでも買った方がいいかもしれない。仕方がないので、本を読みながら蚊を待つ。 人と触れ合うのが好きだと思っていたが、そうではないことに気づいた。自分の不足を他者に…

水面とceroの音楽

日付に対する愛着は、ある。七月の三連休の数字が好きだ。はっきりとした理由はない。推測するならば、夏に対する期待にあるだろうか。梅雨明けしそうな七月の高揚感が大好きだ。梅雨は嫌いだけど。あじさいの花は枯れる。花弁の水滴も消える。空の雲が一気…

図書館のソファー

私の大学の図書館には、ソファーがある。机は併設されておらず、腰かけて本を読むためのソファーである。コロナ禍には、なぜかソファーが使用禁止となっていたが、最近復活した。昼過ぎの大学図書館は混雑しているが、いつもソファーは空いている。課題をす…