Naegi

逍遥

2024-01-01から1年間の記事一覧

たわごと

社会人になると本が読めなくなるという本を、昼休みに読む。皮肉なことだ。私は意地でも本を読んでやる、という気持ちで本を読んでいる。大学生の時は、読書によって痛みが引き起こされていたが―言い換えれば読書は鍛錬の一部であったが―社会人になってから…

灰色の春

去る時は早く去りたい一心だったのに、すでに関西が恋しい。阪急の接近音を聞く。なんて、ロマンティックなのだろう。関西で6年間過ごせたことは、幸福だった。新しい街は、プレーンで味気のない街だ。関東全体、というと嘘になるが、やはり山が見えないと落…

日々の労働と、美術

いざ組織の中に入って、意思伝達を行おうとしてもうまく行かない。 肩の力が入ってしまって、妙な文章になる。 私はこの前の記事で、組織の規範や慣例を「文法」という言葉で言い表したけれど、まさに私は「文法」を習得中で、同じ部署の人にメッセージを送…

雪の枝

ちょうど一週間前、友人たちと京都へ出かけた。 一週間でこれほどまでに世界はドラスティックに変わるのか…という驚き。私は、言語の使用の面から、全て「社会人」的なものへの変更を迫られている。絶対に、こうしたものから逃れてやる、と決意していたもの…

雲をつかむ

椿。 ついに労働者となった。私は組織のコマに過ぎない。ジェーン・スーの生活は踊る、を聴いている。組織で働くということは、私という自我を潜めることなのだ、と合点がいく。 今までは自我が全てだった、みたいなところがある。自我を潜めることはできる…

学生からの卒業

重い腰を上げて、学生時代の振り返りを書こう。この6年間は濃密で、一言で集約することなどできないから。車窓を見れば、菜の花が咲き乱れていた。春にも、魔物がいる。霞に唆されて、花たちが一斉に咲き出したのだろう。こうした気候と、環境の変化にどうか…

針葉樹

一ヶ月ぶり。 再び北海道に行ったので、近いうちに旅行記を書く。 引越しの荷造りするなかで、過去を顧みる。 荷物は自分の生きた証だ。 根本的に整理整頓が苦手で、小学2年生の時に「整理整頓を上手くできるようになりたい」という作文を書いていたくらいだ…

正論のストレートパンチ

正論だけでは世界を救えないよね〜。マクドナルドで女子高校生が言ってたよ。嘘松だよ〜。 日々に忙殺されると、正論ばかりが脳裏に浮かぶので困る。確かにタイトなスケジュールに生きると、正論で物事をぶった斬るのが妥当なんだよな。少しでも温情をかけよ…

居場所を移すということ

あのね、という走り出しで走ろうとすると、なぜか調子が出ない。あのね!という接頭辞(?)は使い古されていて、あまり好きではない。が、話すときは無意識にあのね、と使ってしまうらしい。じゃあ、今回も「あのね」で始めるとするか…。話すように歌う(J.…

2024

年が明けた。修論を出して郷里に帰って、また戻った。この土地での暮らしも、もうすぐ終わる。6年住むことになるなんて思いもしなかった。長い。 地元から大学に行くには、早くても6時間。長旅だ。よくこんな時間をかけて試験を受けたな…と数年前の自分に感…