Naegi

逍遥

儀式としてのライティング

仕事に慣れてきて、確かな手応えを感じている。文章を書き連ねることは私にとっての癒しで、マニュアル一つ作るだけでも没頭して、雑念がふっと消え去る。結局必要なのは、自我を消え去ることだと感じている。我を出していいことなんてない!ずっと言い聞か…

チューニング

マジで文章が書けないんですけどぉ〜他責思考がまあまあひどくなっている。が、心を保つためには、原因を外に求めることも必要だ。追い込んでしまう性格を自己分析した上の、結論である。 ぶっちゃけ事務のお仕事なんで属人化したら終わるんですよね。replac…

KYOTO

過去の記録を掘り起こす。 京都にシュルレアリスム展を見に行った時に書き込み続けた記録、というか断片。肝要な展覧会自体の記述がないので下書きに留めていた。 まとまった文章が書けない。それだけ疲弊しているのだ。休息が欲しい。 ーー 京都は散歩する…

駅のプラットフォームにて考える

私の友人にはタフな人間が多い。ここでのタフは、肉体的なタフネスではなく、問題を跳ね除ける力のある人たちである。どちらかといえば、レジリエンスの強さと表現すればよいのか。 問題が起きた時に発想の転換ができる強さを持っている。真正面から受け止め…

私は道が好きだ。鉄道や道路、岐路のような熟語における「路」も。移動に心を弾ませる性分ゆえに、研究対象も人の移動に関するものだった。rolling stoneであることに価値を見出すから、転石苔むさず、とは相容れない。これはキャリアに関する話ではなく、移…

積もる手紙

元気?私はまあまあうまくやっているよ。 No news is good news という諺の通り、だ。ブログは更新できなかったが、日常という波を乗りこなしていた。コロナに罹患したけれどね。 梨の礫ではないけれど、特に誰かに宛てる手紙はない。ブログって誰かに宛てる…

自分の言葉で生きる

あなたは自分の言葉で生きているから素敵だよ、と言われたことがある。最上級の褒め言葉だと思う。 わたしの言葉ね。わたしの今の言葉は、わたしの根っこから離れている気がする。うまく紡げない。言葉未満の、断片が漂うだけだ。 世の中にはいろんな人がい…

君はどう痛みと向き合うか

ライフステージの違いによって、友人関係の縁がよく切れると言われる年代。それが20台後半なのだ。1ヶ月に一回は入籍の報告を目にする。完全に自他境界が引けているかといえば疑わしいが、うっすらと土俵の違いを感じるので、そこで明白な境界が生まれるわけ…

働き出して文章が書けなくなった

表題の通りです。くたばっています。いや、元気なんだけどね。毎日寝て起きて仕事して、また寝て1日が終わる。間隙の時間に、趣味に興じるとかできません。労働時間が比較的長めらしいので、今のうちに余暇はたのしんでおこう。お金の心配をしなくてよいのは…

描き直す 初夏2024

日常を凪に変えるための努力。骨の折れる作業だということ、私は知りませんでした。大学時代に際限なく考えていたことは、結果的に私の人生を定めることになったけれど、日々の労働とは両立しえない。具体的に述べるならば、能書、名誉、アイデンティティ、…

虎になっちゃいそう

日常は波のようなもので、凪いである日もあれば時化ているときもある。今日はちょっと、波風が立つ日であった。窓の外の天気も大いにに揺れていたから、ということも勘案した方がよいだろう。気象の停滞は人間を愚鈍にする効果があるのだろう。 言い訳するこ…

断片から脱却する

日々、思うことはある。けれども、流れてしまっている。 断片的に生きるといえばよいのだろうか。 少し時間があったとしても「無限の泉」に時間を費やしてしまう。 社会人になって「本が読めなくなる」が分かる。休日は一瞬にして終わる。 意識的に、「書く…

垣根 膜 文法

少し前に、手負の人間となった。ほんの少し。 傷口が、普通の皮膚になるまでの経過を辿るのは楽しい。火山に似ているな、と思う。ドロドロのマグマが年月をかけて冷えてゆくようだ。血が出なくなり、やがて皮膚へとなっていくさま。血とマグマとアナロジーと…

ヨーロッパ・アルプスと信州

ゴールデンウィークも終わった。おかしなことに、休暇中は冬の北海道について文を書き連ねていた!来るべき春を享受することができないまま、季節は夏へ。 ちなみに、休暇中は山と清流を見た。 石川美子『山と言葉のあいだ』を読んだところだったので、谷底…

3月の北海道

引越しは、自らを解体する行為のようである。部屋と自己はやはり、繋がっている。壁掛けやポストカードを仕舞うたびに、心の奥底が冷えていく感じがする。自分の家なのに、自分の家と思えない。かつての暖かさはとうの昔に失われてしまったようだ。 引越しの…

たわごと

社会人になると本が読めなくなるという本を、昼休みに読む。皮肉なことだ。私は意地でも本を読んでやる、という気持ちで本を読んでいる。大学生の時は、読書によって痛みが引き起こされていたが―言い換えれば読書は鍛錬の一部であったが―社会人になってから…

灰色の春

去る時は早く去りたい一心だったのに、すでに関西が恋しい。阪急の接近音を聞く。なんて、ロマンティックなのだろう。関西で6年間過ごせたことは、幸福だった。新しい街は、プレーンで味気のない街だ。関東全体、というと嘘になるが、やはり山が見えないと落…

日々の労働と、美術

いざ組織の中に入って、意思伝達を行おうとしてもうまく行かない。 肩の力が入ってしまって、妙な文章になる。 私はこの前の記事で、組織の規範や慣例を「文法」という言葉で言い表したけれど、まさに私は「文法」を習得中で、同じ部署の人にメッセージを送…

雪の枝

ちょうど一週間前、友人たちと京都へ出かけた。 一週間でこれほどまでに世界はドラスティックに変わるのか…という驚き。私は、言語の使用の面から、全て「社会人」的なものへの変更を迫られている。絶対に、こうしたものから逃れてやる、と決意していたもの…

雲をつかむ

椿。 ついに労働者となった。私は組織のコマに過ぎない。ジェーン・スーの生活は踊る、を聴いている。組織で働くということは、私という自我を潜めることなのだ、と合点がいく。 今までは自我が全てだった、みたいなところがある。自我を潜めることはできる…

学生からの卒業

重い腰を上げて、学生時代の振り返りを書こう。この6年間は濃密で、一言で集約することなどできないから。車窓を見れば、菜の花が咲き乱れていた。春にも、魔物がいる。霞に唆されて、花たちが一斉に咲き出したのだろう。こうした気候と、環境の変化にどうか…

針葉樹

一ヶ月ぶり。 再び北海道に行ったので、近いうちに旅行記を書く。 引越しの荷造りするなかで、過去を顧みる。 荷物は自分の生きた証だ。 根本的に整理整頓が苦手で、小学2年生の時に「整理整頓を上手くできるようになりたい」という作文を書いていたくらいだ…

正論のストレートパンチ

正論だけでは世界を救えないよね〜。マクドナルドで女子高校生が言ってたよ。嘘松だよ〜。 日々に忙殺されると、正論ばかりが脳裏に浮かぶので困る。確かにタイトなスケジュールに生きると、正論で物事をぶった斬るのが妥当なんだよな。少しでも温情をかけよ…

居場所を移すということ

あのね、という走り出しで走ろうとすると、なぜか調子が出ない。あのね!という接頭辞(?)は使い古されていて、あまり好きではない。が、話すときは無意識にあのね、と使ってしまうらしい。じゃあ、今回も「あのね」で始めるとするか…。話すように歌う(J.…

2024

年が明けた。修論を出して郷里に帰って、また戻った。この土地での暮らしも、もうすぐ終わる。6年住むことになるなんて思いもしなかった。長い。 地元から大学に行くには、早くても6時間。長旅だ。よくこんな時間をかけて試験を受けたな…と数年前の自分に感…

手紙

三つ子の魂百まで、好きなものを思い浮かべればだいたい、幼少期の趣味に還元される。 久しぶりにポケモンのダイパシリーズのBGMを聴いていたのだけど、私がソウルやR&Bに関心を持ったのって、ダイパの音楽が大きい気がする。 216ばんどうろ、228ばんどうろ…

くもり

青空のような曇天。 修論のプレッシャーで、毎日歯軋りしているらしい。おかげで歯がじんわり痛む。さいきん歯科医に行って異常がなかったから、虫歯ということはないだろう。数ヶ月前にレントゲンをとったら歯軋りの傾向があると言われて、痛みが増すようだ…

歩く人

この曲を聴けば世界がまるきり変わってしまう。 そんな感覚を失ってきている。この音楽を聴けば無敵。どこかで聞いたことのある文句、というか広告代理店が好きそうな構え方だが、音楽で心を躍らせる感覚を失せている。修士論文、就職がものすごく恐ろしい。…

すこやかな12月 / 2023の音楽と景色

論文執筆で命を削っている。 修論の文字数が10万字を越えた。 中間発表の資料をうまく繋ぎ合わせているので、一から書き進めているところは少ない。とはいっても、時間との闘いに焦燥を感じざるを得ない。11月はずっと体調が悪かった…。博士課程に進んでいた…

大学で得たもの 救いたいもの

大学で得たものを一つ選んで答えよ、と訊かれたら、こう答えるだろう。 ひとが書いたものに寄り添って議論しようとする姿勢、だ。成功しているかはともかくとして、議論の姿勢はこの6年間で身についたと思う。 英語圏ではprinciple of charity (思いやりの…