Naegi

逍遥

春の縁に座る

深夜2時にウエハースをかじりながら、

音楽を聴く。背徳感に敗北。

室内の温度はエアコンのスイッチを入れなくても

凍えない程度に落ち着いていた。

デジタル時計の日付は2月25日を示していた。

2年前に迎えた二次試験を未だに思い出しては

ひたむきだったかつての自分と今の落差に落ち込んでいたものだったが、今日は少しばかり前を向けるようになった気がする。

 

今日はいつもの通りから少し外れて、飛行場まで歩いた。

遠くで鳴り響く飛行機の轟音を毎日聴いていたものだが、こんなに近くで飛行機が離着陸しているとは。

飛行場への道中、一瞬この街の夜景がちらりと見えた。

2年前はこの街の起伏の激しさに驚いたが、

この街で暮らしたい!と強烈に思った。特に根拠はないけど。強いて言うなら前述した通り、モノレールのある街だという点かな。

 

タクシーに揺られ、内見に向かった際、わたしは窓の外の街を見て、ここだ!と確信した。もう一つの候補地だった東京ではなく。

 

…なんて想いを馳せると、2年という期間は案外長いなとも思う。

がむしゃらにいろいろ挑戦してきた反面、自身は失われる一方だった。

何が残っただろう?この2年、と問い詰めても良き友は得られた…でもあと何?と答えが見つからなかった。

 

しかし、今日受験生と話す機会を得て

それは悲観的すぎたと気づく。

留学、人文学についていろいろ訊かれたとき、

1年前の自分は答えられなかっただろうなぁと

はと思った。

 

正直、今もまだ全然一人前じゃないけども、

確実に進歩できているなぁとほっとした。

 

留学や国際協力に励む友人たち、夢に向かって

毎日資格の勉強をする高校時代の友人の姿を見て

何者にも慣れていない自分を悲しんでいたけれど

でもその悲観は全く必要のないものだと気づいた。

自分のペースで、やりたいことを進められてきたようにも思えてきた。

 

先週、やはり英語面で自分の至らなさに落ち込んでいたけれども、それも経験値として必要なのかな。

 

自分語りは往々にしてつまらないので切り上げる。

ーーー

空港街のネオンサインを見る。

 

ラブホテルのそれはいかがわしくは感じるものの、

80年代のデザイン風である意味、とても今風なのである。

 

やたらと80年代のアニメーションを貼り付けて、お洒落、と称揚するもん、今の潮流だと。

以前はとてもダサいと思っていたラブホテルだったが、なぜかとても洗練された建物に見えた。

 

まぁ、いかがわしさは芸術にもなりうるからね。

 

ーーー

 

そう、今朝受験当時の気持ちを思い出そうと

受験期ヘビロテしていた曲を聴いたら

なんとも言えない気持ちが蘇ってきた。

 

CAPSULE のcontrol とか、tofubeatsのディスコの神様、朝が来るまで終わることないダンスを、

Zeddのstayとか。

大学生になったら生で聴く!!って毎日思ってたのが懐かしい。

休憩時間に爆音で聞いて踊ることが気晴らしだったけどそれは今も変わらない。

テスト前に同じムーブしてる。

 

ーーー

春はいますぐそこ。

二次試験が終わるとすぐ3月が始まる。

3月も早い。

うっかり暁を覚えない春眠ばかりを繰り返すと4月になる。

4月になれば私も3回生か、いろいろ折り返し地点だな。

と、気持ちを噛みしめながら春を待つ。

ーーー

この季節、アコースティックな音楽が妙に聴きたくなる。

なぜだかわからないけど笑笑

 

眠いので、寝よう、春は眠いのだ!