Naegi

逍遥

不覚にも

 

 

気を枯らす風と書いて木枯らしと読むように、11月に風が吹き抜け、木々は葉を落とし、12月に入ると一層短くなった昼が一瞬にして過ぎ、グラウンド付近を歩けば、月明かりに照らされた裸の木が地面に影を落す風景を見るようになった。

 

日照時間が短くなるごとに落ち込みやすくなるのは真理だし、このテレビCMやショーウィンドウから伝わる妙に浮ついた気分がアンビバレントな気持ちを増幅させる。期待してるのに、気分は落ち込む、というこの両面性を抱きつつ、12月の1日を今日もまた終わらせている。

 

クリスマスソングの鈴の音には心躍らせるし、絵に描いたような温かいクリスマスのイメージにはどこかノスタルジーを抱き、不覚にも笑みを溢してしまう。冬は楽しい季節だが、しかしながら冬の寒さと夕暮れの早さには気が滅入る。

 

師が走るという師走の大学はどこもかしこも慌ただしく、その忙しさに飲まれるばかりで、毎日を必死にしがみついている。

忘れ物も失敗も多くなり時折どうしようもない自己嫌悪に苛まれるものの、どこか現実を楽観視して括弧に括ってしまう自分に気づいた。

とにかく保留、保留、保留。

 

今年も終わってしまう中、先延ばしにされた

予定をどうしても消費しないといけないと気づいた。

頭を下げながら毎日生活しているので

来年は胸を張って生きれるように、まずは

目の前のことを真摯に取り組もうと思った。

 

とても眠くなったのも、冬のせい。基本的にすべて自己責任だと頭では分かっているものの、何かのせいにしないとやっていけない日もある。おやすみなさい。