Naegi

逍遥

かもしれないのかもしれない

 

魔女の仮装をしてエレベーターに乗ったことを今でも鮮明に覚えている。

 

 

小学1年生のころだった。当時わたしは英語教室に通っていて、そこでハロウィンパーティーが開催されたため、仮装した。魔女に扮したわたしは周りの人にもてはやされ、いい気分に浸っていた。世間など知らないのだから、出会う人すべてがいつもと異なる格好をする私に何らかの反応を示すものだと思っていた。

 

魔女の格好をした私は、エレベーターで同じマンションの住民と乗り合わせたのだが、その人はなにも反応を示さず、視線をわたしから外していた。

 

わたしが仮装をしても何も反応を示さない。それは衝撃的な事実だった。

わたしはふだんこんな格好はしない。

今日はハロウィンパーティー。いつもとちがう髪型に結んでもらった。

なのに、あの人はなにも言ってこない。どうして?

 

なにか期待を裏切られたような、恥ずかしい気持ちが駆け巡っていた。

 

今振り返ると、儀礼的無関心という言葉で片づけられる場面ではあるのだけれど、そんな概念を知らなかった当時は全力で目の前の光景に疑問を投げかけていた。

 

知識が純粋な体験を邪魔をするのはおそらくこういうことなのか。

目の前の不可解だった行動が言語化され、概念化される。これが成長というか学習だ。しかし、体験のピュアさは失われていくのかもしれない。

 

それはそうと、わたしはぼんやりとした、実態のつかめない感情に名前をつけたくて、というか言葉にしたくて文章を書いている。

全力で、あらゆることを体験し、そして言葉を紡いでいく。

そんなひとになりたい。

 

 

それでは初回のブログにふさわしいような話題に移ります。

 まずはブログ「sapling」について紹介します。

 

 

ふだんは思った事をWordにぶつけているのだが(公開することはない)、読み手を意識して、考えたことを言語化する場も必要だと思い、「Sapling」というブログを立ち上げた。

 

苗木、という名前をつけたのはまだまだ私は苗木の状態だと感じることが多いから。

もう、すでに自我はある程度確立されているから、種子ほど無限大の可能性を持っているわけではない。でも、まだまだ未熟だから成長する余地はあるのだけれど、場所によってはうまく育たないかもしれないし、急成長を見せるかもしれない。

そんな「かもしれない」を多く抱えた苗木に自分をなぞらえて、ブログタイトルを苗木、saplingにした。

 

と、長々と述べてきたのだけれど結局は苗木という語感に惹かれ、偶然英語の単語帳で

「苗木」を意味するsaplingという言葉を見つけてしまったから、ブログタイトルにした、というのが実のところ。

 

 

以上。これからは自己紹介パートへ。

紹介遅れましたが、しみこと申します。

 

本を読んだり、何かを書いたり、シティポップを聴いたり、どこかにふらっと出かけたりすること好きな大学生です。今のところの願望は文章に携わっていきたいなあ、ということですね。

 

最近はよく紀行文を読みます。

人は旅するいきものだ!と勝手に考え、旅とひとの関連性について考えるのですが結論が見えません。旅があったからこそ、歴史がある。歴史は旅なのです。移動なのです。精神的にも、物理的にも。

これからも、旅とひとについて考えてみます。

(少し話は逸れるのですが、なぜ山を登るのか、という問いに対して「そこに山があるからだ」という返しは未だに納得がいきません。そんなことも考えたいですね)

 

 

紀行文は文学作品としても、旅の情報源としても面白いです。紀行文における文学的表現を楽しむのも好きですが、実際に旅した気分になれるので、紀行文を一読するだけで得られるものは多いです。好きな紀行文は村上春樹の「雨天炎天」。ギリシアとトルコを旅する紀行文です。これをきっかけにしてトルコに興味を持ったので、トルコ語に挑戦してみましたが、挫折してしまいました。

 

とはいえ、いつかトルコを旅してみたいと思っています。高校時代の恩師は世界各地を旅していて、トルコやその周辺諸国の話も聞いたことがあります。旅行記をいただいたのですが、行ってみたいという気持ちは増すばかりです。ただ、一人旅はリスキーなので、どういう形で旅するのかは考え中です。

 

また、旅は自分の考えを再整理する良い機会だと思います。みたものを通して、考えてじぶんを見つめなおす。

自分探しの旅という言葉がありますが、旅をすれば自分を見つめなおせるのでトートロジー気味ですね。まるで、自分の顔にかけてある眼鏡を探すかのような言い回し。

 

攻撃的になったので話題を変えます。

なぜかシティーポップに夢中になっています。

田舎で育ったからでしょうか、都会に対する憧憬があるからでしょうね。

いろいろ音楽は聴くのだけれどけっきょくシティポップで落ち着いてしまうんです。

 

シティポップBGMにブログを執筆している次第です。

文字数がもう2000字。もはやレポートですね。

言いたいことを端的に表現する力が欲しいものですね。

 

 以上。

思った事をちょうどいい言葉で表現できるようにブログを更新し続けたいです。

(常体と敬体が混ざってしまったことに反省。)