Naegi

逍遥

夢は巨大なトラウマ処理機なのか。

繰り返し同じ夢を見る。

 

もう済んだことなのに、夢は幾度となく私を傷つける。研ぎ澄まされた鋭利さをもって。

 

 

「〇〇(当時のあだ名)、気持ち悪いんだよ!」と。キャップを被った少年たちは言う。

 

 

目覚めの後、わたしは落ち込んでしまう。現実の世界で嫌なことなんて起きていないのに。

 

運動場、教室、廊下の映像は、私にとって凶器も同然だった。映像が反復される。私は慄然とする。

 

夢は欲望の投射とかいうけれど、好きなだけ欲望なら尽くしてくれ。トラウマなどドブにでも投げ捨てたい。でも、それができないからトラウマ。一生をかけて向き合わないといけない主題なのかもしれない。

かさぶたにならないまま、傷口は10年の節目を迎える。