Naegi

逍遥

老女が出てきて語る。

むかし、あの山はもっと高かったと。

山体崩壊が起こって、今の姿になったのだと。

 

いや、そんな言葉は使っていなかった。

神の怒りか何かで山が一気に崩壊した、と。

私はそれを目撃した!

そう断言していた

 

夢だった。

確か地元の、山岳信仰のある山だった。

最近の関心がフォークロアにあるからか、語る長老と、それを聞く私という構造をとった夢が出てきた。入れ子構造の夢。

 

実際、あの山は山体崩壊が起きている。

 

伝説を信じたくなる気持ちに縋るように生きている。