好きなものを研究対象にできる人ってなかなかいないらしい。
わたしは幸運なのかもしれない、と思った。
ー
いや。幸運なのは事実だが、事情を説明しておく必要があるらしい。
厳密にいえば、趣味として本当に「好き」なものは研究対象にしていない。音楽とか。
これはわたしのこだわりがある。
好きなものが生活を逼迫させるようになったら、もうやっていけないだろうと思って、仕事も「好き」から離れたものを選ぼうと思う。
好きなことを仕事に、なんて使い古されたセリフだけど、なかなか手放しに称揚できるものではない。
距離近すぎたら無理になるもん。
世の中そんなものだらけ。
たぶん、わたしも生活が研究によって成立するようになったら、この研究が嫌いになるかもしれない。
修了した後にいったん大学を離れるのは悪くない選択だなと思った。あくまでもわたしの話。
ー
久しぶりに街を歩き、憧れのブランドのワンピースを見たり、本屋で魅力的な単行本の山を見たり、ライブに行ってストレス発散する社会人の姿を見たら、ようやく就活にやる気が出てきた。
長期的な視点から見たら、あまりにも即物的だが、ごはんにありつけるような人間でありたいね。